NANDAKANAAAAA

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おっ、落ちて、は、葉が、きらひらき、
降りる光はカーテンで、めくれば薄いシースルー
首を正面に戻すと水色の大地。背中にはゴツゴツのコンクリート。...コンクリート?
おれはなぜか空をみていてコンクリートの上に寝転んでいた
「あれ、え、あれ」
タイヤの回る音カラカラカラ...シャリシャリシャリ...
「チャリ...」
チャイムはリズムを合わせるということを知らずにそれをかき消す。
「あ、時間......なんの時間?」
学校。そこにあるすぐ側の学校。おれは今日も遅刻ギリギリの登校途中にコンクリートの隙間に向かってすっ転んだ、のかも、しれない。
「あ...これで...10回目、達成......ふふ」
もはや誰からも怒られなくなってきたその回数を数えて、今日で10回目。もう自分に対する悪気も無くなってきている。
「いい朝だな...」そう呟いた。この清々しく広がる水色と、舞い降りる光、そして落ち葉を眺めだ自分が、全く意図せずに出した言葉だった。自分でも驚いた。朝はこんな自分も肯定してくれる。ありがとう朝。あんまり顔合わせられなくてごめん。おれ、もっと朝に生きてみるよ。

ヒラヒラヒラヒラ、パタリ
体に何かが落ちた、落ち葉だろう。そうかこんな体験もできるのだ、朝に正直になってみると、寒風で落ちる落ち葉だって楽しめるんだ。
ありがとう朝!「紅葉も見てみたかったー!」心から、そう思えた。

シャッッ!
落ちてきた落ち葉が、側面を眼球の前でスライドさせて落ちてきた。
視界が、赤い。赤い、い、いたい。赤い、赤、

落ち葉は止まらない。止むことなく落ちてくる。
「紅葉だ...フフフ...」
なぜ笑っているのか、いまほほをつたっているのは涙なのか、血液なのか、分からないまま授業開始のチャイムが鳴った。

11/25/2025, 4:14:20 PM