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麦わら帽子がひらりと舞う

無意識に手を伸ばしたが
指先さえかすりもせず
それは気持ちよさそうに青空を飛んで行った

私は気持ちを麦わら帽子へと移し、
清々しい水色の中を漂う想像して
あの人を待っていた


でもいくら待てども
その人は来なかった

日射しが完全に傾き、
暗い影が落ちきった頃
私は暗闇の中で1人想った

あの麦わら帽子は彼女だったのだ
ふわりと私の前に現れ、
しばらく私のところに留まり、
この先もい続けると思ったのに
あまりにも簡単に
飛ぶように姿を消す

私はその夜
真っ暗な中に彼女を見た



8/12/2023, 12:05:25 AM