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 今日という日は最悪な一日だった。

 まず朝。休日だというのに仕事のある日と同じ時間にアラームをセットしてしまった。いつもより早起きして充実した休日のスタートにしても良し、寝坊をしてゆっくり英気を養う休日のスタートにしても良し、そんな日のはずだった。…なのに起きたのは。

 次は朝ごはんのとき。時間設定を間違えたのか、電子レンジの中でマグカップに入れた牛乳が派手に吹きこぼれた。布巾で急いで拭いながら、牛乳のついた布って臭くなるんだよな、他の洗濯物と一緒にはできないから別で念入りに手洗いしないと、と考えたらちょっぴり落ち込んだ。

 朝から地味にダメージを受けることが続いたので、今日は厄日になるかもしれない。外出はせずに1日家で過ごそう。そう思った。

 少し経って昼過ぎ。今日は好きなアーティストの数量限定グッズが発売される日だった。人気のグループなので、数量限定ともなれば戦争。発売開始時間よりだいぶ前から準備をしなければならなかった。
 勝つぞ!と意気込んで早めにサイトにアクセスしたら、お目当てのものにはSOLD OUTの真っ赤な文字が。なんという凡ミス。ありえない。発売日は昨日だったのだ。これはあまりにもショックすぎた。今日が厄日だということが確定した瞬間だった。

 そして今。流石にこれ以上のことはもう起きないだろうと、せめて終わりこそは穏やかにと浴槽にたっぷりのお湯を溜めた、はずだった。風呂場に入ったそのとき、浴槽の中はあまり考えないようにしていた今日1日の散々な出来事を強制的に思い出させる状態になっていた。

 ああもう、一体全体どうしてこんな目に!ヤケクソで空の浴槽の縁に足をかけた。


『どうして』

1/14/2023, 2:57:16 PM