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「明日の予定はありますか?」
ここから始まった僕と彼女のLINE。

授業前に爆速で文章を考え、会話を繋げる。

彼女は同じクラスでも同じ高校でもなく、隣町のいいとこの学校だ。
僕とは違って彼女は頭がいいので、勉強に忙しく遊ぶ暇などないのかもしれない。

それでも、と勇気を振り絞ってメッセージを送ってみたのが今日、金曜日の朝。

彼女から返信がくるのを楽しみに思ったり、どんな返事だろうと怖気付いてこなかったらいいのにと思ったり、感情が忙しい

結局、観たい映画があるからと無難に映画館に誘った。
彼女は応じてくれるだろうか

授業が終わるたびにスマホを確認している

さっき送ったメッセージは既読になったのか、返信が返ってきたか頻繁にチェックしてしまう

昼休み入り、食堂で昼飯を食べていると学ランのポケットからピコン!という音がした。

慌ててスマホを取り出すと、待ちに待っていた例の彼女からのLINEだった。
僕はおそるおそるアプリを開き、メッセージを確認する。

その瞬間、思わず箸を持った手でガッツポーズをしていた。だんだんと嬉しさが表情に表れてくる。

彼女からの返事はオーケーだったのだ。

はやる気持ちを抑えつつ、時間や集合場所の提案を送る。

たった一言で嬉しさがマックスになる、
こんな気持ちになるのは君からのLINEだけだ

9/15/2024, 2:18:51 PM