John Doe(短編小説)

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ギアー・マン


私は歯車の国の住人だ。名前はチャールズ。私の身体は無数の歯車で、友人のトムもそうだ。この国の国民みんなが歯車だ。いつ生まれたかなんて、知らない。気がつくと、こうしてみんなと複雑に絡み合って、仕事をしている。我々に与えられた仕事は常に回転していること。たまにオイルを注しては、働き続ける生涯だ。

滑稽に思うだろうが、私は自分が歯車であることを誇りに思っている。大海の魚のように、自由ではないが、苦痛ではない。誰かのために働くことは心地よささえ感じる。しかし、私は死ぬまでなぜ、なんのために自分が歯車なのか解るまい。

先日、トムが狂って死んだ。新品のジムがトムの代わりを担っている。私もいつかトムのようになるのだろうか? それでも、私の国は動き続ける。

1/16/2024, 12:40:54 PM