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今日のテーマは『冬は一緒に』
私なりの解釈で言えば冬という季節で誰かと共に過ごす、そんな事柄から連想されるもの
おそらく大多数のひとはクリスマスについて考えたのではないだろうか
私もまた大多数の内訳に分類されるが、クリスマスの話題はまた別日に出る気がしてならないので温めておくことにする
ふと温めるという単語で思い出したが、寒い日には皆で鍋を囲むなんて光景もまた冬を代表する行事の1つだ
入れる具材が地域の特色を表すと言っても過言ではないほどに伝統的で種類も豊富な鍋料理だが、その中でも他とは一線を画す代物が存在している
闇鍋をご存知だろうか?
正直鍋料理に分類していいのか迷っており、染み出る色は地域のものではなく個々の個性で、気付いたら浸透していた文化なため歴史も存じていないが
それでも誰かと共に過ごす時間という意味なら上位に位置するくらいには私の記憶に残っているものだ
私が友人達と行なった闇鍋は事前の打ち合わせなしに食材を買ってきて、それを鍋に入れて皆で食べるという内容
風の噂に聞いた暗闇の中で適当な具材を投入して食べる形態は火を扱う都合と明らかに食材ではないものを鍋に入れるのは流石に嫌だという意見の一致があったため即座に却下されて上記の形態となった
なったわけだが………未だに理解できないのだが、何故鯖缶と桃缶を同じ鍋に入れようと思ったのか
集まった友人のうち1人が手に持っていたレジ袋から聞こえる食材からはならないだろう硬質なカラカラという音の時点でなんとなく嫌な予感はしていた
だがそれだけなら、そう、それだけなら他の食材次第ではきっと奇跡的に絶妙な味が誕生する可能性もあっただろう
そんな淡い希望を打ち壊したのは1人が持ち込んだ粉チーズ
まあ粉チーズそのものには悪い点はなく、なんなら美味しくなりそうな予感がするという点も同意できた
ただし缶詰類と合わせるべきではなかったという話
結論から言わせてもらえば、缶詰と粉チーズ以外は豚バラやネギといった普通の食材が持ち寄られたものの、最終的に完成した鍋は一口食べただけで食欲を奪われる混沌とした味をしており全員が微妙な顔をしながらも折角企画したからと必死に食べきることになった
当時の感想だけなら、もう2度と闇鍋なんてしないと誓う程度にはトラウマじみたインパクトを残したが
年月を経て思い返した今では、どこか微笑ましい冬の一幕として私の記憶に残っているわけだ
ただ思い出による美化を加味してもやはり2度目の闇鍋は遠慮させていただく
そんな思い出話を1つ、いかがだろう?

12/18/2023, 1:57:14 PM