題 君の声がする
「隊長、そろそろ行きましょう。」
その言葉に「分かった、すぐ行くから待っていてくれ」と答えて、辺りを見渡す。
別になんとも無い森の中にいる。何にも無いが、戦術にはうってつけの場所だ、私達はここを死守しなければならない。
早く皆と合流しようと思い足を進めると、はて?いないはずの子供の声が聞こえる。もしかしたら疲れで幻聴が聞こえるようになったのかもしれない。
タッタッタ
走る音も聞こえる、この軽さ的にはやはり子供だ。2人はいるだろう。
音が聞こえた方を向くと、半透明の子供達が見える。
ついには幻覚まで見えるようになったのか。
しかもその姿は黒髪の少女と金髪の少女ではないか、なんともタチの悪い。
少女達は此方を向いてこう言う。
「あと少しだから頑張ってね」
何があと少しだと言うのか。
本当に疲れている、帰ってあの子に甘えるとしよう。
2/16/2025, 3:22:46 AM