「執事。」
「はい、なんでしょう。お嬢様。」
執事を執事、と呼ぶこの変なお嬢様はいつも暇を持て余している。
「私への愛を叫んで。」
普通の人なら、は?と言うところ、なのだが。
「勿論ですお嬢様。」
この執事も変だった。
すぅ、と軽く息を吸うと、とんでもない速度でかつ淡々と語り始めた。
「お嬢様はなんと言ってもこのまるで宝石の様に煌めくサラサラの長い銀髪とそれと同じ色の長いまつ毛も儚さを醸し出していて吸い込まれる様なアメジスト色の綺麗な瞳も合わさっていて最高ですそして頭が良いので女神の生まれ変
「ストップ。早口過ぎて何言ってるか分からないしもうちょっと要約して。」
「これでも要約したのですが。」
「普通に、大好きですで良かったんだけど。」
普通自分で言うか?
「分かりました。」
そしていいのかよ…。
「大好きです一生推しますお嬢様。」
サラッと言ったこの執事。
そしてさらに一言付け足してる…。
「ありがとう。もう満足した。」
ある令嬢と執事の昼下がりの出来事だった。
5/11/2024, 11:15:48 AM