風雪 武士

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☆ たとえ間違いだとしても

私はトルコ猫。
軒の下で産み落とされた名もなき野良猫よ。
体が大きくなり、母猫から3週間生きる術を教わったら親兄妹達とはお別れ。
その後の皆のことはもう知らない。
3年前、安住の地を求めて彷徨っていたら、公園に辿り着いた。
そこには、定期的にエサを用意してくれたので助かった。
ある日、いつものようにエサを食べようとしたら、金網の檻の中に皿があった。
あれ?なんか変だな?と思ったけどお腹がペコペコなので檻の中に入った。
たとえ間違いだとしても仕方のない選択だった。
すると、私の前足が金属の板を踏んだ瞬間、ガシャツ!と音がした。
私はびっくりして、後ろを見たら檻の中に閉じ込められたことに気づいた。
ガシャン!ガシャン!ガシャン!ガシャン!
脱出しようとして金網に体当たりをしてもびくともしない!
逃げられない!!
私の額から血が出ていた。
その後、人間がやってきた。
「ちょっと、出してよ!どういうつもり!私が何をしたって言うのよ!出してよ!」
私は精一杯叫んだが無視された。
人間は捕獲器に布を覆い被せるとそのまま車に積んだ。
そして、病院に連れて行かれた。
病室のテ−ブルに捕獲器が載せられた。
その時、私はお尻にチクっとした痛みがあった。
どうやら注射を打たれたようだ。
すると眠くなってきた。
私は殺処分されるのね。
こんな死に方をするなんて無念よ……。

……私は目を醒ました。
真昼の公園、私は冷たい金網の捕獲器にいる。
見れば捕獲器の入口が開け放たれている。
今だ!私は急いで捕獲器を飛び出すと振り向くことなく走り去った。
誰もいない空き地で毛づくろいをしていると、左耳が少しカットされており、腹には傷跡がある事に気づいた。
私に何かしたのね!許せない!
人間は大きて恐ろしい生き物よ。
信用しても酷い目に合わされるだけよ。
人間なんて二度と信頼するもんですか!
そう心に誓った。












4/23/2026, 6:06:39 AM