小春日和

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蝶よ花よ


高校三年の夏は暑さで前も見えない。
空はカンカン照りで、わたしの黒髪を痛めつける。
オシャレでも出来たら、外に出てもいい気持ちになるかもしれない。自信のなさから服を着る勇気が無くなってきた。
"ネット恋愛なんて、だめだよね。会ったこともない人好きになっちゃった。彼に会えるわたしになれてないよ。"
不貞腐れ、萎むわたしを見て、負のオーラを嗅ぎつけた猫が、体を擦り寄せてきた。柔らかい肌触りと、ただただ無垢な愛を感じ、ひたすらに涙を零した。

今のわたしは、明日のわたしに期待をすることはできない。きっと変わらずわたしは今日の私のままなんだろう。いつかこの涙が、わたしに染み込んで綺麗になれたらいいと思う。蝶よ、来てくれてありがとう。

8/8/2023, 4:11:28 PM