不特定多数

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澄んだ瞳

開いたままの窓から心地よい風が吹いて髪を揺らす。僕と君は教室に二人きり。
ふと、君は課題から視線を上げる。目が合って、ずっと見ていたことがバレてしまうかと思った。でも君は何も言わずに、頭のヒマワリの髪飾りを指す。
「ヒマワリの花言葉って、知ってる?」
僕へと目を据えそんなことを聞く。たしか、あなただけを見つめるとか、そんなのだったっけ。
「それね、私なの」
いつも通りの表情のままさらっと言う。
けど、それって。
「もしかして、告白してる?」
海みたいに澄んだ、
「ふふ」
君の瞳に焦がされそう。

7/30/2024, 11:08:50 AM