その笑い声は、風鈴の音に似ていた。低い声なのに、笑う時だけキャッキャっと高めの声になる。その音はまるで夏の風物詩で冬でも笑うたびに涼しく感じるから不思議だった。「はやく歩かないと置いてくぞ」 前を歩く彼がそう言った。風鈴の音に乗せて。この音を思い出にしないため、自分も笑いながら影を追うのだった。/風鈴の音
7/12/2025, 2:14:39 PM