壊 玖 麗 秋 エ ク レ ア

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テーマ:タイムマシーン

僕が10歳の頃には,タイムマシーンは普及されて人々は自由に過去をやり直せた。
僕のおじいちゃんはそれに不満があるらしい。
『簡単に過去をやりなおすなんてこと,してはいけないことだ。それに…』
そんな風に,僕に説教混じりの説得をするのが何時ものおじいちゃんだった。
オチはいつも"お前はタイムマシーンを使うなよ"という僕への忠告。もう飽き飽きしていた。
「おじいちゃん」
そう名前を呼ぶ。
するとすぐに反応したおじいちゃん
『どうした』
「おじいちゃんはタイムマシーンについて詳しく知ってるの?」
そういつも疑問に思っていたことを聞くと,勿論と言い僕に教えてくれた。
『タイムマシーンはなぁ,実際に過去には戻れねえ代物なんだよ。現実に戻りたい過去をただただ反映させるだけなんだ。意味ねえから使うな。』
そう言われ,僕は飽きれ笑いを漏らす。
”意味ねえから使うな“?愛する妻が過去に死んで,タイムマシーンで密かに妻との思い出を引きずっているような人にそんなことが言えるのか。
『まあお前がタイムマシーンを俺にもいわず使ったときゃ縁切りだ。お前のような人間が使うと思ってはいねえが,一応の手当としてな。』
今度は笑いではなく一筋の泪がこぼれた。
何の意味も含まないソレに,おじいちゃんは驚く。
『おい,急にどうしたんだよ。』
心配するように言ったソイツに,俺は嘲笑をした。それはソイツにではなく俺にだった。
「それならもう縁切られてるよ。だって俺はおじいちゃんとタイムマシーンで会ってるんだから…!」

そう感情に任せて言い終えると,俺は『旧式タイムマシーン』の電源をブツリと切った。

1/22/2023, 10:21:25 AM