ホットミルクにはちみつを少し。
あるいは荒れた心に酒と塩辛いツマミを一皿。
心の深呼吸がお題のおはなしを、ひとつご紹介。
「ここ」ではないどこか、別の世界に、「世界線管理局」なる厨二ふぁんたじー組織があり、
世界と世界を繋いだり、繋いだ航路を整備したり、
滅んだ世界からこぼれ落ちた難民を、難民シェルターに住まわせたりと、
様々な業務を為す、それはそれは大きな組織。
広報活動の一環として日本でもマルチメディア展開等々、フィクションのフリして顔を出している。
中でも世界線管理局の、法務部執行課、実動班の特殊即応部門で部門長をしているドラゴンが、
二次創作的に
特に女性の一部のオクサレ腐女子陣営に
右か左かの大論争と大戦争を巻き起こしながらも
ひとつのジャンルとして、人気を持っておって。
そして今回のお題の回収役でもあった。
ドラゴンはビジネスネームをルリビタキといった。
「はぁぁぁ、ルー部長だ、ルー部長……」
ひょんなことから世界線管理局の、難民シェルターに来ていた東京都民は、後輩もとい高葉井。
ルリビタキと彼の部下・ツバメのタッグをこよなく愛する、ルリビタキ右辺教の信者である。
「おなかプニプニ……いいにおい……はぁッ」
推しが目の前に現物として存在する世界を、高葉井は諸事情により訪問して、
そしてちょうど推しドラゴンが難民シェルターの草原で、人工太陽の陽光を浴び昼寝している。
たくましい背中の鱗を撫でても起きぬ。
凛々しい顔を撫でても起きぬ。
手を、足を、尻尾を触れても、とんと起きぬ。
ただこの場所を安全地帯と認識し、周囲に棄権生物が居ないことを理解しておるルリビタキは、
ぐるるる、ぷしゅる、ぐるるる、すぴぃ。
スマホゲームのイラストでもメディアミックスのコミック版でも見られないような穏やかさで
ただただ、熟睡している。
ここでお題回収。
高葉井は推しのドラゴンの、強い鱗に守られていない内側、すなわち「おなか」に顔を埋めて、
すーはすーは、すぅすぅすぅ。
ネコ吸いならぬドラゴン吸い、推し吸いを開始。
これぞ高葉井の、心の深呼吸であった。
「ほあぁぁ、ルー部長、あったかい、良い匂い」
時間の流れがドチャクソに早すぎる都民には推しが必要なのである。
11/28/2025, 9:58:14 AM