宵風に吹かれたい

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朝、目を覚まして窓の外を眺める。
霧が深くて遠くまでは見えないけど、子供達の楽しそうな声が聞こえる。
パリパリ、キャッキャッ、ザクザク。
霜が降ったんだなぁ。霜の降った葉や土を踏んで遊んでる光景が目に浮かぶ。

私も、外へ出たいな。
薬の作用で髪は抜け落ち、手足は痺れ、吐き気なんて毎日で。毎朝痛みで目を覚ましては絶望感に打ちのめされる。

あぁ、私も、あの地へ足を下ろしてみたい。
霜枯れしたように動かない体を憎む。

憎んだところで、霜は溶けない事を知りながら。

11/29/2025, 5:38:27 AM