針のように冷たく肌を刺す空気が初雪が近いことを予感させ、私はふと思い出す。
寂しさに耐え切れず、別れを切り出してしまったあの冬の日のことを。
孤独を人で埋めようとしていた。
彼なら私を満たしてくれるのだと期待した。
それが叶わなくて、別れを告げた。
自分の孤独を受け止めることは自分にしか出来ないのだと、気が付いたのは三度も間違いを繰り返した後だった。
雪を待つ。
どうか少しの間だけでいい。その綿菓子のように柔らかな冷たさでどうしようもない私の弱さを隠してほしい。
-雪を待つ-
12/16/2024, 9:37:32 AM