「銃星は銃の照準をあわせるための星、星宿は二十八宿のひとつ、白星は相撲の勝敗。……他は?」
これで何個目の「星」のお題だろう。某所在住物書きは過去投稿分を確認しながら、ぽつり、ぽつり。
「流れ星に願いを」では桜吹雪を星に見立てた。
「星空」のお題はフクジュソウを星にした。
今回は「星」である。
意外と色々アレンジ可能なので悩ましい。
「銀星石とかいう単語もあるらしい」
検索窓に「星石」と入れた物書きが気付いた。
そういえば「◯星石」なるアニメキャラが……
――――――
前回投稿分からの続き物。
「ここ」ではないどこかの世界のおはなしです。
「世界線管理局」という厨二ふぁんたじー組織がありまして、現在、環境整備部で使用されているチートアイテムの適正利用点検中。
仕事に対して過剰にオーバースペック過ぎるものが使われていないか、逆にもう少しアップグレードしたアイテムを搭載すべきか、
数年かけて、じっくり検証して、交換すべきものを交換したり、提言すべきことを提言したり。
稼働中のチートアイテム搭載機器に近づくこともあるので、時折、危険をともなう作業です。
チェック作業を担うのは、元々チートアイテムの収蔵部に居た奥多摩出身の通称「奥多摩君」。
彼を危険から守る相棒として任命されたのが、
環境整備部いちのベテラン、ビジネスネームを「キリン」といいました。
このキリンさんがまさかのイケボふんどしマッチョさんだったというのが前回投稿分のおはなし。
「奥多摩君。まずは、環境整備部空間管理課の心臓部、『保存空間生成装置』からだ」
さぁ、チェックを始めましょう。チートアイテム搭載機器の点検を始めましょう。
低音イケボのキリンさん、チートアイテム点検員のに任命された奥多摩くんを、大きな大きな機械の前に案内しました。
「これは、世界線管理局の長年の課題、土地不足を解消する目的で最近完成したものだ。
主に局員1名、ないし2名を『鍵』に指定して、半永久的かつ小さな空間を作り出す」
要するに、セキュリティー対策万全な完全防音防塵防爆、パーフェクト空間発生装置というワケだ。
低音イケボキリンさんは、軽く管理局の制服を腕まくりして、美しい筋肉で小さなチートアイテム格納隔壁を開放しました。
美しい水晶玉1個と、ミカンが2個入っています。
水晶玉は空間と局員を関連付けて、セキュリティー関連を処理してくれるチートアイテム。
2個のミカンのうちの1個、日向夏の方は、大きな大きな保存空間生成装置にエネルギーを供給してくれるチートアイテム。
はて、残りの1個は……?
「俺が提供した水晶のレプリカも、スフィンクスさんが提供してくれた日向夏のイミテーションも、
オーバースペック過ぎず、力不足にもならず、適切に稼働してますね。よしよし」
奥多摩君、履歴やらメーターやらグラフやらを総合的に確認して、「問題なし」と結論づけました。
「で、こっちの水晶文旦のレプリカは……?」
確認しないと。評価しないと。
奥多摩君が仕様書に書かれていない、美しい水晶の文旦について、「本物」を持っている局員に連絡を入れようとしたところ……?
ここでようやくお題回収パート。
保存空間生成装置を置いているフロアに、奥多摩君やキリンさんの組織と敵対している別の組織、
「世界多様性機構」の下っ端が、勝手に入ってきて、管理局所蔵のチートアイテムを略奪すべく、襲いかかってきたのです!
「この空間生成装置は、我々多様性機構が頂く!」
敵対組織の下っ端さんは武装しておって、奥多摩君のような非戦闘局員じゃ太刀打ちできませんが、
それでも何か、抵抗しなければ、大事なチート機械が機構に奪われてしまいます!
「キリンさん!」
奥多摩君、イケボキリンさんに叫びました!
「特殊即応部門と総務部総合案内課に通報お願いします!ここは俺に任せて!」
マッチョなキリンさんの方が、通報ボタンまでダッシュしたり近くの局員の避難誘導をしたりするのが向いていると思ったのでしょう。
ああ、なんという勇気、なんという自己犠牲!
イケボマッチョのキリンさんは、奥多摩君に感銘を受けて、まず奥多摩君を救うことにしました!!
「心配いらない。任せたまえ奥多摩君!!」
どぉん!ばぁーん!!イケボのキリンさんが声を張り上げ、ビシっと決めポーズをとると、
キリンさんの制服が大胆パージ!!
イケボキリンさんは、イケボふんどしキリンさんになったのです!
「君を危険から守るのが私の仕事だ。
いくぞ、活力10倍!お仕置キリン!!」
イケボふんどしキリンさんの純白にまぶしいふんどしが、キリンさんの活力開放で薄紅色に輝きます。
そしてここで、お題回収。
イケボふんどしキリンさん、自慢の筋肉とチートアイテムふんどしのチカラで、
敵対勢力をどぉん!ばーん!吹っ飛ばしてお空の彼方へ。お星さまにしてしまったとさ。
3/12/2025, 4:55:00 AM