「まだ知らない君(創作)」
優子は、誰にでも笑顔で、誰かのためになるならと一生懸命自分の時間を割いてでも動き回る本当に、誰もが素晴らしいねって言える性格の持ち主だ。
私から見ても、本当にいつも人ファーストで、時々心配になるくらい。愚痴も聞いたことがない。すごい仲がいいかと言えばそうでも無く、会えば話をする程度の友達だった。
知り合って3年になる頃、その笑顔に陰りが見えてきた。笑っているのに、目が笑っていないというか、無理しているというか…。
「なにか、あった?」
「やっば。顔に出てる? 上司Aがなんでもかんでも私にふってきて、ろくに説明もしないでさ、そのやり方どう思う? そんなんだから若い子が育たないんだって…ったく…」
あ、なんだろ…優子の本当の姿を見たような…人ファーストなところも彼女の姿だけど、これはこれで…
「いま、笑った?」
「笑ってないよぉ」
「いやいや、笑ったよね?」
「ごめん、少し。なんか、人間ぽくて」
「私も怒るし、不満に思うこともあるよ。言わないとやっていられない」
誰も何かあった?って聞いてくれなかったから、本当の自分をさらけ出すタイミングとか、イメージが出来上がっているっぽいから、崩すのも怖かったそうだ。
今よりももっと仲良くなれる気がしたし、
まだ私の知らない優子が現れてくるかもしれないと思うと楽しみでもあった。
1/31/2025, 2:36:36 AM