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彼奴は太陽みたいに眩しくて、手が届かない。

彼奴はいつも光の元に立っていた。そんな彼奴を、俺は木陰で眺めていた。目を奪われていた。肌の白い彼奴が日の元に出ていると、どこか幻想的で美しい映画のワンシーンの様だった。

彼奴が太陽ならば、俺は月なんだろう。

彼奴は太陽の元にいるくせに、目を離せばすぐこちら側に来てしまう。それに、彼奴がこちら側に来るのは俺も困る。太陽に照らされていなければ、月は見え無くなってしまうのだから。

今日も彼奴は太陽の下で笑っている。
そんな彼奴を木陰から眺めている。

いつも通りだった。

8/6/2023, 1:31:57 PM