夕日の光は鋭すぎると思う。
昼間は高いところにいる太陽が沈む時、一瞬。私たちと目が合う位置にやってくる時がある。その瞬間を、私は何より美しいと感じる。朝夕夜の写真を並べてどれが好きかと聞かれたら、間違いなく、彩度が最も高くて美しい夕日を選んでしまうだろう。だけど、太陽を直視すると眩しいのは当たり前で。夕時の色は特に目に沁みる。
だから私は、カーテン越しに見るのが好きだ。写真に撮られた夕日を見るのも好き。だけれど、カーテンに受け止められた光が、やわらかく辺りに散らばって、そこら一帯がオレンジ色に染まっているのを見ると、たまらなくなってくる。
そうして、オレンジ色に染まった手のひらを覗いて、私のメガネのフレームや、髪の毛や、くすんだような肌の色もすべてオレンジになっているんだろうとぼんやり思う。そんな暖かい夕時が好きだ。このまま、世界がずうっとオレンジ色に染められてしまえばいいのに。
みんながオレンジに染まったら、その中での差でまた互いを感じとりあうんだろう。あの人は暗い色、あの人はすごく綺麗な色。私はきっと暗い色なので、このままの方がまだいい。新しくレッテルを貼り直されるのは複雑な心境だし。
夜が更け上がってくる、月もオレンジだとなんとなく嬉しくなる。黄色が通常版だとすると、レアなイメージがしてなかなかに気分がいい。今日の月はどんな色でどんな形をしてるんだろう。月の形がどうあれど、私はそのやわらかな光が好きだ。
10/17/2024, 8:27:46 AM