あなたがすき

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そっと触れる硝子より儚いそれはなんだか生ぬるくて、気持ちの悪さに吐き気がする。脈打つ。波打つ。ぬらりとした粘液がわたしの手を伝って冷たい床に滴り落ちた。あたたかさが床に触れたことで蒸気でも発するのではないかと夢想する。未だそれは一定のリズムを奏でている。その脈拍で踊れたらどんなに心地良いだろう。純粋なあなただけで構成されたリズムに体を揺らしてみたかった。訳もなく。それは脈打っている。波打っている。一定のリズムで、徐々に、そっと、空気を振動させながら少しずつ冷たくなっていく。あなたと踊ってみたかった。あなたの音で。

さよならの音抜けを繰り返すここは悪夢

そっと

1/14/2025, 10:55:56 AM