突然鳴りだすスマホ。
それは大好きな大好きな君からの着信音。
すぐにポケットからスマホを取り出し、
電話に出た。
でも、スマホ越しに聞こえるのは、
君の声ではなかった。
聞いたことある声。
君の母親の声だ。
とても震えながら僕に
『昨日ストーカーに刺されて、
さっき息を引き取ったの。
今までありがとう。』と言った。
僕は高いところから落下したような
衝撃を受けた。
まず最初に思い浮かんだ言葉は
『なんで?どうゆうこと?』だった。
理解ができなかった。
日にちが経つにつれて、
理解出来るようになった。
そして、後悔が募る。
なぜ、あの時君を家まで送らなかったのか。
なぜ、あの時君に起きてる異変に
気づかなかったのか。
後悔したあと、怒りが募る。
なぜ、君は僕に相談をしてくれなかったのか。
そんな、僕は頼りない男だったのか。
怒りの後、今度は悲しみが募る。
もう二度と君の笑顔を見ることは出来ない。
もっと、君と一緒にいたかった。
そんなことを思っても、
もう、君は戻っては来ない。
【落下】
#54
6/19/2023, 2:44:49 AM