「また会いましょう、--さん。それまでお元気でね」
生まれ育った故郷は田舎で、大学が近くには無い。
電車で通えないこともないが、それでも1時間以上はかかる。
だから大学へ進学するにも、就職するにもほとんどの子どもたちが地元から離れることが多い。
中学から地元を出る人は数えるほど少なかったが、実は私もその一人だった。
卒業して旅立つ私に、恩師からその言葉を受け取った。
大変お世話になったことは確かなのだが、無情にも頭の中では、新生活についてワクワクとして期待いっぱいな気持ちで溢れていた。
今思えば、恩師も、親も寂しく感じてたのかもしれない。その一方で、私は地元にも、小中の友達にも未練もあまりなかった。
子どもというのは全く、本当に自分と未来のことしか考えていなかったのだなと今更ながら自分に呆れる。
私もいずれは、旅立つ人を見送る側になるのだろう。その時は必ず、この言葉は伝えようと思う。
また会いましょう。それまでは、あなたも私も元気で過ごしていきましょう。
11/13/2023, 4:23:30 PM