汚水藻野

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「よーい、スタートぉ」


 試験監督が"終わりの始まり"の合図を響かせると同時に、パラパラ、と紙が擦れる音が鳴る。
 さっきまで静寂そのものだったはずが、音に驚いて飛び立つ鳥のように思えた。

 そして今、俺はとある重大な問題を抱えている。


 そう、腹痛だ。


 なぜ今なんだ。今じゃないといけない理由があるのか。なぜこんな時に限って腹が痛くなるんだ。おかしいだろ。クソが。


 始まったばかりというのもあって、試験監督に向かって挙手をするのもなんだかな、と躊躇う。そもそも、試験の場で挙手をする生徒の方を見る生徒は、どんな学校であろうと1人はいるものだ。気まずいからやめてくれ。

 それに、この事件の沈黙の場で「先生すみません、腹痛でトイレ行かせてください」なんて声が響いたらどうだ。そんなの爆笑案件だろ。めちゃくちゃ恥ずかしいから本当にダメだ。

 そしてよりにもよって試験監督は耳の聞こえづらい50代おじいちゃん教師。

 とりあえず自分を落ち着かせるために一つ深呼吸をする。

「すぅぅ」

 隣の席の女子の手が止まり、ペン回しを始める。
 その音が本当によく聞こえる。自分の焦りと緊張、そして背中を伝う汗が逆に冷たく感じる。今日の天気予報では真夏日だと言っていたのに。

「……」


 ぐーぎゅるるる。



「(終わったァァ……!!)」





2025.9.2. 「ページをめくる」


 この主人公めっちゃ可哀想ダナーと思って書いた。
テスト、数学はマジで良かったと思います。社会はやっぱ問題数狂ってる。理科はほんとに「社会で必要とはいえない問題だろこれ」ってなる。保体予想94。

明日国語と英語と技術家庭科。簡単なやつ頼む。

9/2/2025, 4:44:42 PM