『記憶の海』
「なにもない海」に
私は漂っていた
下手をすると
溺れてるのかもしれないけど
言われたことをこなす日々
出来て当たり前
出来なきゃ怒られる
そんな感じのことが多くて
ひとつひとつを
私はあまり覚えてない
楽しみ?期待?
それよりも
不安や安堵で
ひとつひとつのタスクを超える
危機を回避することに
一生懸命になっていた
……そんな感じの毎日だった
ながく、ながく、漂って
ようやく見えてきた
この海そのものと
自分自身の気持ち
このモヤモヤが
消えることは無いのかも
この不安や虚しさが
終わることは無いのかも
だけど、だからそこ―――
それがわかってるなら
私はまだ……
溺れ死ぬ訳には行かなくて
そりゃ…、
寂しいし悲しいよ?
私の過去は
そんな思い出すに足らないような
ただの毎日だったけど
まだまだ「これから」が
残ってる限り
進まなきゃいけない
思い描いた世界じゃないけど
どの世界の海にも
必ず私がいることだけは
変わらない限り
この海を波を今日も
乗りこなして、溺れないよう
上手く浮いて、進み続けるから
〜シロツメ ナナシ〜
5/14/2025, 5:30:33 AM