花粉、黄砂、副流煙、虫…
ろくなものが飛んでこない。
暖かい季節がやって来ると同時にこういった最悪なものも身近になる。
こんなんじゃなくて
君がふわっと俺のとなりに現れてくれればなあ。
ふわっ
そうそうこんな風に…
「…え、わっ!」
「…お疲れさま。」
「びっくりした…。」
君に似た匂いがしただけかと思った。
本物の君がいるなんて。
「奇遇だね。」
「う、うん…。」
「ここ、普段通らないでしょ。」
「うん…あの、ね」
「ん?どうしたの?」
「いい匂いがしたから…。」
え、それって
…いや、どうやら違うみたいだ。
「お腹空いたね。食べに行っちゃう?」
「…うん!」
風に乗って広まったうまそうな匂いのせいか
ここのラーメン屋はなかなか繁盛していた。
風に乗って
4/30/2024, 2:44:13 AM