はげしく揺すられて持ち上がる身体。このまま意識さえもどこかへ行ってしまいそうで、私は必死で手を伸ばした。「怖い」彼は無言で奪うように繋いで、そのまま敷布に押し付ける。どこか辛そうで頬は赤い。行為とは真逆をいく子どものような顔で、私の恐ろしさも少し遠のいた。頬が触れ合い名前を呼びあったあとキスをする。身がはちきれんばかりの僥倖だった。私達は上り、月だけが静かに沈んでいく。なんて長い夜だろう。
12/9/2023, 12:56:17 PM