親に世界で1番可愛いよ、と言われていた。
クラスメイトより少しだけテストの点が良かった。
感想文が金賞を取った。
SNSにあげたイラストにいいねがついた。
競走相手より早く走れた。
自慢して胸を張ろうと喜色満面に顔を上げると先を行く人がいる。
追いかけて追いかけてどうにか追い抜くと、そんな自分を鼻歌まじりに追い抜く人がいる。
食いついて食いしばって食い下がって、歯軋りをしてほぞを噛む。
俯いて項垂れて、足を止めて前を向くこともやめてしまおうとすら思う。
ふと、振り返ると歩き出したところからそれなりに進んでいることに気づく。
今スタートラインを切った人よりも、この瞬間は確実に先を歩み、追う辛さを知っている。
寄り道もずいぶんしたけれど、歩んだ距離は嘘をついていない。
それは確かな事実であり、歩を進めたという自分に抱く『 』。
テーマ:誇らしさ
8/16/2024, 11:07:50 AM