佐藤 と塩

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ここは奈落から1番遠い街。
この街の神々しい街並みは人間から人気である。

ある時青い目の人間の夫婦が旅行にきた。新婚旅行だろうか。

いい客が来てくれたなぁ。

とりあえず今晩のメニューを渡した。コラーゲンたっぷり弾力ゼリー、採れたて骨付きもも肉、赤ワインのスープ。それが今日の9時に食べる夕飯だ。
僕は409号室に案内した。最近このあたり工事してて、夜うるさいけど気にしないでって言っといた。



夜8時
バキバキボキボキザシュッ
料理が始まった。今日は人間がいる数が多いから、シェフも腕がなるなぁ、

夜9時
館内のアナウンスがなった。
『さぁみなさんお食事が出来ました。』
僕は食堂に行った。

料理が運ばれてきた。今日は一段と美味しそうだ。

『えーこちらが今日のメインディッシュ新鮮骨付きもも肉です!』
歓声が上がった。
『副菜がコラーゲンたっぷり弾力ゼリーでスープが赤ワインスープです。』
『さぁみなさんごゆっくり。』
僕も席に着いた。
運ばれてきたのはコラーゲンたっぷり弾力ゼリーだ。具材として青い目が入っている。
次は赤ワインスープだ。今日は男臭くない。
最後に新鮮骨付きもも肉。運動してたんだな、いい筋肉だ。


人間って馬鹿だな。ここは奈落から1番遠い街なだけであって天国では無いのに。そうここは人間を主食とする鬼の街。

『いただきます』
バリボリジュルジュル

あの夫婦こんな遠い街へ来てくれて嬉しいな。

今日も僕の腹は満たされる。

2/28/2024, 2:35:06 PM