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ぬくもりの記憶

お母さん
あなたの優しい手をいつも求めてました。
優しい瞳を
その眼差しを

お母さん

でも、与えられることは、無かった。
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焚き火の燃えるパチパチと良い音がする。
よく乾燥させた薪を燃やしてるようだ。
目をゆっくりと開けた。
素焼きレンガ作りの粗末な建物に簡単に大ぶりの植物の葉を葺いた屋根。

ゆらゆらと煙がのぼっている。
『起きたのかい?』
老婆の声がする。
声の方を見た。

顔は、よくわからない
焚き火に照らされて影が深い闇を作る
顔の凹凸が大きいのかもしれない
目が落ちくぼみ
骨ばった顔。
痩せた身体を大きな布の服がゆったり包んでる

縫い方の簡単な貫頭衣のようだ。
「ここは、どこですか?」
『お前さんのおった雪原からラクダで約半日くらいのとこさ、アグイダルという街じゃが、知らぬじゃろ?東方から来たお嬢さん』老婆は、笑った。
「私がどこから来たか知ってて助けたんですか?」
『どこへ行くかが重要じゃからねぇ』
「私は、逃げてるだけですよ。」そう年が二十も上の男との望まぬ結婚から逃げた。
敵の部族との和平協定をぶち壊して
兄を殺した部族だ。
仲の良かった兄。
彼以外みんな嫌いだった。
だから、逃げた。
何も先のことを考えず
『私は、お前さんと同じなんじゃよ。』
『私も逃げた。しかし、お前さんは、コレから世界を修復する仕事があるのじゃよ』
『もう少しお眠り、白き都から迎えが来るのじゃ』
『世界の修復のために』

12/10/2025, 2:36:00 PM