「秋色」
「あー、おー.......ぃだっ」
叫んでいたら隣に居た友人に叩かれた。解せぬ。
仕返しに足を蹴ってやったらまた叩かれた。ふん、
騒がしい講堂では学生たちが楽しそうに騒いでいる。
「なんであんなに人生楽しそうなんだろ」
「どうせ恋人とかの話だろ」
友人が鼻で息をした。なんだ、こいつもリア充が滅ぶのを望んでいるのか。
それにしても、恋とか愛とかそんなよく分からないものに、なぜそんなに必死になれるのかな。
自分には一生分からないだろう。
「お前には分からないよ」
「.....嘘、声にでてたか」
もうどうでも良くなったので、友人を抱きしめると珍しく頭を撫でてくれた。
「ふっ、恋人なんか作んなよ」
「なんで?」
「お前といる時間減るじゃん、親友はお前しかいないんだから」
「ーーーっ!!!!友よ!!!!!」
「うわっうるさっ」
何か言っていたが聞かなかったことにしてやろう。
今年の秋は、少し楽しめるかもしれない。
9/19/2025, 1:40:22 PM