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 大切なものを否定された。

 どんどんヒートアップしてきて、手に負えなくなってきた。

 守らなきゃと思った。



 失くさないように奥底に仕舞ったはずだった。

 奥底に仕舞ったから取り出すことが億劫で触れる機会が減った。

 そのうちいつ、何を仕舞ったかすら忘れてしまった。



 整理しようとして蓋を開けた。

 昔懐かしの品々に混じる、一際輝くもの。

 ひと目見ただけで、頭の中に蘇る記憶。

 鼻の奥がツンとなりながら、胸に掻き抱いた。


 ああ、私、これが宝物だったんだ。

 
 今度は手元に置いておこう。

 忘れないように、いつでも見られるように。


『宝物』

11/21/2024, 12:03:02 AM