短い手紙とそれから合鍵をポストに入れて私は家を出た。ありがとう、もう二度と関わることはないと心に誓って。それなのに何故、君がここにいるのだ。「お迎えに来ました」口角だけは少し上がっているが、その目の奥は笑っていない。手には合鍵、くしゃりと丸められた紙は手紙だろうか。「なんで……」「それはこちらの台詞です。……まあ言い訳はベッドで聞くので、ひとまず帰りましょう。お兄ちゃん」ぐいと掴まれた腕が痛い。振りほどくことは叶わなかった。
2/19/2025, 12:40:58 AM