物憂げな空
「たく…、今日はもう良いから、お前さんは早く帰れ。」
学校の先生に濡れ衣を着せられ怒られた。
私は何もしていないのに、完全な合成の写真を信じて、責められ続けた。
今日は部活もあったけど流石にやる気も出ないから、無断欠席をした。
「…い…ゆい!!!大丈夫か…!!」
「わっ…びっくりした…」
幼馴染が何故か焦ったような顔をしながら、私の事を追いかけてきていたのだ。
「お前、濡れ衣を着せられてただろ!!何で反抗しなかったんだよ!!」
幼馴染は私の肩を掴んで、怒ったような何だか悲しそうな顔をしながら私に言った。
「これが何度目だと思ってるの…?もう、反抗する気力も無いよ…、皆、私だったら何でも良いって思ってるし…。」
最初は何回も反抗し続けた。
だけど、これが何度も続くと、呆れとか出てくるから気力も無くなってくるの。
誰も助けてはくれない。大人もクラスメイトも皆、見て見ぬふりをして、自分が巻き込まれるのを怖がる。
「……俺が彼奴等を殺す。絶対に彼奴等だけは許さない。」
「何でそう行くの。別に殺さなくても…」
「罪も無い俺の大切な奴がここまでズタズタになってるのに何もなしに彼奴等を許せるかよ!!!」
幼馴染は私にそう言い、ふり返りもせずに家に向かっていった。
私は何だかスッキリもしなかった。
「殺す…か…、」
私は思わずその場に立ち尽くしてしまったのだ。
身動き出来ない時に見えた空は、何だか物憂いの空に見えた。
2/25/2024, 10:21:18 AM