何でもないフリ
何でもないフリというのは本当に便利なもので、角がたたない。
自分が何でもないフリをすれば、みんなは穏やかで、心が乱れることもないし、そこに波も生まれない。
誰かに、本当はねって明かしたい気持ちをおさえながら、どこか抱える靄の置き場所を探しながらゆっくりと歩いている。靄は重たくて、苦しいけれど。
言わなければ伝えなければ、誰かが聞きたくないことから耳をふさいで、見たくないものから目をそらして、そんな必要もないのだ。
そこに広がるのはなんて平和で明るい世界だろう。
今日もまた何でもないフリをする。崩れる日常に怯えて臆病で弱虫な私は。
本当に便利。
12/11/2022, 10:20:20 AM