私の母は、1日に2〜3杯はコーヒーを飲むコーヒー好きだった。
ホットのインスタントコーヒーに角砂糖1個とクリープを1杯。
喫茶店ではホットのブレンドコーヒーに付いてくるスティックシュガー1袋とコーヒーフレッシュを1個。
私はコーヒーの香りは良いなと思っていたけど、母が存命中にはまだその苦さを美味しいとは思えず、紅茶ばかりを飲んでいた。
そんな私も30歳を前にして、アイスコーヒーにガムシロとコーヒーフレッシュを淹れて飲むようになり、やがてブラックのアイスコーヒーの苦さを好むようになった。
それから程なくしてホットコーヒーに角砂糖1個とコーヒーフレッシュ1杯を時々飲むようになった。
その数年後、年々増加する体重やぽっちゃり体型が気になって、ブラックコーヒーを飲むようにしている。
…でも。
時々、無性にいつもと違うコーヒーが飲みたくなる。
カップに蜂蜜を入れてからドリップして作る蜂蜜コーヒー。コーヒーをドリップしてからマシュマロの上にシナモンパウダーを振りかけてみたり。今ではコンビニのコーヒーマシンの上に数種類のフレーバーが置いてあるから、お試ししたり。
そんなとき、ふと、母に「こんな飲み方もあるよ」と伝えてみたかったなと脳裏に過ぎる。
ニッキの八ツ橋が好きだったから、シナモンを振りかけたコーヒーを気に入ったかも。でもやっぱり、角砂糖1個とクリープ1杯のコーヒーを飲んでいるような気がするなぁ。
分厚いアルバムを開いた母の笑顔は、スマホで撮影してお気に入り登録した。
それを眺めながら、熱いコーヒーをいただく。
太陽はゆっくりと沈んでいく。
コーヒーが冷めないうちに
9/26/2025, 4:36:38 PM