はた織

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 おつむの弱い人は、流行りの知識の帽子を
 やたらと被りたがります。
 見せびらかすだけの帽子がいかに役に立たないか、
 そんなことさえ知らずにいるのです。
 そうして、流行の風に帽子を飛ばされると
 寒くなった頭に新品の情報の帽子を被るのです。
 そんな脳みそもたましいも詰まっていない頭を
 帽子ごと叩いたら、馬鹿みたいに音が響いて
 さぞ気持ちが良いでしょう。

 知識も情報も必要な分しか身にまとわない
 賢者の帽子が見てみたいものです。
 きっと、ひさしの下から覗く額は
 神々しく輝いていましょう。
 先人の知恵とたましいを受け継いだ脳髄は波打ち、
 皮膚の表面を星々のように煌めかせましょう。
 思わず、こちらの帽子を取って
 挨拶したくなるような尊い人の帽子は
 どこで見られますか。
              (250128 帽子かぶって)

1/28/2025, 1:22:06 PM