空模様#73 透明少女は今日も空を見上げて悔しそうな顔をして、曇った空に向かって目を腫らしていた。 夏のせいにしてきたこの気持ちを空模様で表したようなそんな夕の空だった。 涙を噛みしめて必死の笑顔でニッと笑っていた。僕は隣には立てなそうだなと内心で悔やんで、冬だったなら僕の方を選んでくれたのかなとそんなことを場違いに考えた。 恋の実は苦くて美味しくないことを知った夏の終わり。
8/20/2024, 12:19:37 AM