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お題:花畑

 夢を見た、花畑に行く夢だ。
これは夢、そうあり得ざる夢だ。
自分が家族と向日葵の花畑に行っている。

 「あー何て、残酷な夢だろう…」
夢の中の家族見て思わず呟いた。
向日葵畑にいる家族は何も喋らない、それもそうだろう。

 だって家族は自分を捨てたのだから。
そもそも自分は花畑に来たこと生まれてこの方無い。
自分が居るのは病院のベッドの上、そして家族が自分に会いに来ることはなかった。

 死ぬ前に家族と、花畑へ出かけてみたいという願いがあった。
一度は願ったことが夢とはいえ叶った。

 でも何故だろう?心が苦しくて、苦しくて堪らない。
まるで叶うことが無い望みだと、むざむざと突き付けられたような気分だ。

 これは夢、だから少しのワガママも今なら許されるだろう。

「お父さん、お母さん待ってよー」
自分は父と母を追って向日葵畑にかけていった。
向日葵畑にいる父と母が笑ってくれたような気がした。



9/17/2023, 2:02:23 PM