足音
これは私の友人の話です。
大学進学を機に友人は都会で一人暮らしをすることになり私はそのまま田舎に残る形で別々になりました。
ある日の夜、友人から電話がかかってきたのです。
「助けて。怖い。ストーカーかもしれない。誰かわからないけど、毎日私の部屋の中に人が入ってくる!足音が聞こえるの。」
「えっ!?それって、警察に行った方が…。」
「行ったよ!!でも、取り合ってくれなかった。確かな証拠は持ってなかったし…。証拠撮ろうとしてビデオカメラ回してたけど、足音しか聞こえないの。上手くカメラの画角をかわして姿が全く映らなくて…。」
私は生まれつき霊感というものがあり、集中すると多少は霊を視ることが出来ました。
私は友人には視えない何かが視えるかもしれないと思い友人に頼んでビデオカメラの映像を送ってもらいました。
すると、そこには膝から下の両足のない20代くらいの青年がカメラの方を見てぼーっと立っていました。
「これだ」と思い、友人にすぐ連絡しようとしました。でも、ふと疑問に思ったのです。
ビデオに写った霊は両足がなかった。
どうして、足音がするんだろう。
もう一度、ビデオの映像をよく見ました。
すると、友人のベットの下の隙間に生きた人間の顔がうっすら見えました。
足音はこれが原因だったのです。
すぐに友人に連絡を入れました。しかし、一向に繋がりません。それから何度も連絡すると、1度だけ通話がつながりましたが、『ダッダッダッ』地団駄を踏みながら歩くような足音だけが聞こえてきました。
8/18/2025, 11:05:26 AM