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【君の目をみつめると】

君の眼をみつめるとなんだか全て見透かされている様な気がする。
まるで遥か未来から来たかのような…。
君はいつも俺に助言をしてくれた。そうして俺は皇帝の座に座れたと言っても過言では無い。

君の眼は綺麗なエメラルド色。そこには深いサファイアも含まれている。
俺は君の目と柔らかい春の綺麗な桜色の髪が好きだった。

でも君はどこかへ消えてしまったみたいだ。


全てが成功した時、君は眩い光に包まれていつもの君とは少し違う君?が出てきた。
少しくすみがかった桃色の髪に、少しばかりの光が入っている浅い緑の目。
君とは違う睨んでいる様な目。君が着ていたドレスが似合わなかった。

その日から君の言動はあの頃の悪女と呼ばれたセリーと同じ性格になっていた。城では、使用人達がA「あの悪女めが!やっぱり、気まぐれだったんだよ!」B「ですが、あの頃のセリーお嬢様は本当に優しかったのに。悪魔にでも取り憑かれたんじゃないでしょうか…。」C「いやいや、あの頃は天使のご加護をお受けになさっておられていたのだろう。」etc...............
とそのような噂が回っている。
確かにそうだ。俺はセリー嬢を城に呼び、セリー嬢の目を見つめた。
..............................。
「あ、あの。何でしょうか。もしかして私に好意を?!///まぁそうよね!私と婚約を結ぶくらい好意を寄せていらっしゃるのよ!」
「勝手に勘違いさせて悪いが。お前は俺のセリー嬢では無かった。では。」
「あ、あ、待ってぇ!私の王子様ぁぁぁー!!!!!!!」
…あいつの目を見ると、何も考えておらず、自分の欲に従っている猿以下の物に見えた。あの頃のセリー嬢はもういないのだと現実を突きつけられたようだった。

4/6/2024, 11:57:09 AM