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キャンドル

暖炉の炎が私を優しく包む
さっきまで冷えきっていた部屋も
あたたかさが広がってゆく
窓の外を見れば
赤いポストの上に真っ白な雪
薄暗い部屋で一人、キャンドルに火をつけて眺める
不意に見た本棚に
色褪せた写真立て
手にとって眺めてみると
去年の冬に、あなたと一緒に撮った写真だった
まだ、私だけがあの頃から進めていない。
もう1年経ったのに。
前を向けず、私だけが取り残されている
寒さも、辛さも、楽しかった頃の想い出も、
全部、この写真に。
ふっと明かりが消えた。
見れば、キャンドルの炎は消えていた。
白い煙が、暖炉の光にうつり、儚く消えた。
キャンドルの匂いだけが、私の鼻腔をくすぐり、
部屋に残った。


キャンドルは暗い部屋で焚くと、ものすごい綺麗で、
消えるときはすごく儚いですよね、その儚さを恋愛に例えて、「私」の失恋を描きました。
いつも恋愛ばかりですが、読んでくださると嬉しいです👏

11/19/2023, 10:07:36 AM