江戸宮

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「さむ……」

今日は起きた時から肌を刺すような寒さに襲われた。
最近だんだんと寒さが厳しくなってベッドからでるのが億劫になる。
最近習慣になってきたバランスボールに乗りながら白湯を飲んだ。

家を出た途端また寒さが身に染みる。
いったい何度寒いと言えばいいのかわからないほどだ。
ぐっと首元のマフラーを引き上げた。
数分歩くと突然ふわり、といい匂いがした。
甘い花みたいな匂い。嗅ぎなれた匂い。

「せんせー、おはようございますっ、!朝から会えるなんてラッキー……、」
「…うん、おはよう。」

突然後ろから声をかけられるのもこうして生徒と学校までの道のりを歩くのも随分慣れたものだ。
努めて普通に返したつもりだったけれど、緊張して声が上擦ったかも。
ああ、かっこ悪い、いい所だけ見せたいのに。

寒い日はモコモコにうずまった彼女がとても可愛くみえて困る。
可愛いだなんて感情、生徒にもつには間違っているのだろうけれど。
あー寒い日なんて嫌だ。思ってはいけない感情だ。
わかってるけど、…たまにぐらいなら許されるかな。


2024.1.11『寒さが身に染みて』

1/11/2024, 1:38:23 PM