瀬尾はやみ

Open App

優越感、劣等感

 わたしはドロドロした人間だと思う。そして乱高下が激しい。
 文章を書いていると特にそう感じる。文章を書くことは大好きだ、そして人に読んでもらうことも。ありがたいことに感想を頂いたり、いいねをもらうこともある。飛び上がりそうなほど嬉しい気持ちになる。

 だけど、いいことばかりじゃない。文章を載せる媒体によっては読者の数やいいねの数が数字として現れる。むしろそっちの方が多い。同じテーマで書いても、他の人の方が高く評価をされているとすごく悔しい。絶対私の方が面白いのになにが足りないのだろう、書く価値がないのだろうか、と思ってしまう。
 もちろん逆のことも起こる。自分が一番良い評価をもらえた。普通に評価をもらうより嬉しいし、沢山の人に評価されることは自信につながる。勝った気分になる。

 文章は、もともと数値で評価されないものだと思っている。確かに読者やいいねといったものはあるけれど、全ての読者が良い作品だと感じたわけではないし、いいねも後から読み返すためかもしれない。

 初めて文章を書いたとき、記念のつもりでSNSに載せた。何件かのRTやいいね、それに感想をもらえた。そんなことは初めてだったから嬉しかった。そこからのめり込むように文章を書いた。評価をされたら嬉しいし、いまいちなときは落ち込んだ。優越感と劣等感の間で反復横跳びをしている感覚だった、しかも超高速の。そしていつのまにかつかれていた。
 
少し前まで文章を書くことから離れていて、最近また書き始めた。私と文章を取り巻く数字の環境はとくに変わっていない。だけど距離感は掴めた。評価にのめり込まず、好きなものを書く。自戒としてここに残そうと思う。

7/13/2023, 2:10:29 PM