包み隠さず、全て話すことができたらいいなと思う。
わたしは、だれにも言えない過去がある。
それを覚えているだろう人はいるが、わたしはその過去を口に出せない。
その過去は、何年も前のことだけど、昨日のことみたいに思い出せる。寒い夜の日、張り詰めた空気、恐怖のにおい。曖昧な部分は多く、ゆめうつつのような記憶だけれど、一部夢ではありえないくらい鮮明に思い出せるから、現実なのだと思い知らされる。
たまに抱えきれなくなって言っちゃおうかと思うこともある。
しかし、わたしはこのことを話すことに対して、抵抗がある。
言葉に出して未だに現実味のない事実を認めてしまうこと、聞いた人にどのように思われるか気にしてしまうこと、わたしが話したことがこの出来事を覚えている人に伝わって傷つけるかもしれないことが、大きな抵抗となっている。
この一連の出来事は、きっと忘れることはできないと思う。一時的に忘れていても、わたしの魂が存在する限り、常にその出来事はわたしと共にある。
思い出して辛くなったときには、一人の空間をみつけて、自分の心へ声に出して語りかけてみる。返事は返ってこないけど、心に秘めているよりはいい。
そして今、内容は伏せているが、文章でわたしの思いを表出することができている。
このように、完全に解決できる問題ではないものは、わたしなりに今できることをやっていくことができたら、百点だ。
今できることをやる、それだけに集中することが今の目標だ。
わたしの思いが、巡り巡って、いつかだれかが暗い場所からあかるい方向へ一歩踏み出すための道しるべとなったらいいなと思う、寒い夜の日。
「もし私がひとつの心がこわれるのを止められるなら生きるのもむだではない。【Emily Dickinson】」
_____ heart to heart ____________________________。
2/5/2025, 2:35:26 PM