code

Open App

愛を注いで

新しい朝
僕の体はなにひとつ覚えてなくて
見知らぬ天井、
隣には見知らぬ誰か。
「…ね、だれっ、?」
誰かがゆっくりと目を開ける
「……ときだよ、あなたの彼女。
あなたを支えるために、ここにいるの。」
そっか、分からないけど
このひとはきっと大事な人だ。
毎日忘れてしまう僕に、
ずっとついてきてくれる人だ。
「このノート、あなたの全部が書いてあるから。」
そういって、手渡されたのは分厚いノート
きっとここに僕の歴史が刻まれている
僕の名前は…
「…くうが…?俺の、名前?」
ノートを見るたびに自分の知らない自分がたくさん出てきて
こんなことしてたんだっていう興味と
忘れてしまっている自分が憎くて
「……っ、ごめん、なさいっ、」
涙が溢れる。
きっと、この人が一番分かってる。
毎日起きたら、忘れてるだなんて
僕の辛さなんてどうでもいい
「…あなたが、幸せじゃないのなら
もうここから出ていってください、
もう、傷付けたくないんです。
自分も、あなたも。」
「……大丈夫だよ。傷付いてなんかない。
私はあなたを愛するって決めたの。
覚えてないかもしれないけどね、
あなたは私に助けてって言ったの。
ずっと孤独で、僕に愛を注いでって
辛いよ。毎日、忘れられて。
でも、その度に毎日違うあなたをみれるのは
きっと私の特権だから。気にしないで?
大丈夫だよ。好きに生きて」
この人は、きっと覚悟を持って僕と一緒にいてくれてる。
これからも、愛を注いで?
俺も、愛の全てをあなたに捧げるから。

12/13/2023, 10:19:27 PM