どんなに離れていても
私の人生がガラッと変わったのは、あの国のあの場所。あの国で大学生だった私は、青春のいろんなことをそこで体験した。
そして、あの事件以来、私はだんだんと自暴自棄になっていったように思う。交友関係も、お酒の飲み方も、職業選択も、パートナー選びも。どうしようもない状況になっても、まあ私の人生こんなもんだし、なんて思っていた。
でも不思議なことに、あれから何十年も経ち、私はその場所を見に行こうと思った。今、どうなっているのか。
おそらく、行っても何も起こらないのはわかっている。私はただ、あの時に止まってしまった私の時間を動かしたいのだと思う。
ある知人に、あの場所に行こうと思うと話すと「行こうと思っている時点で、すでに動き始めている部分があるのかもね」と言ってきた。なんて前向きな。私には全くない感性。
昔の昔はそういう考え方は全く相容れなかったが、今は、そういう考えもあるかな、ぐらいにはなった。
私の中では、何十年離れていても何千キロ離れていても、あの事件は全く風化していない。いつでも私と共にある。そして、あの時点で私は完全に詰んだ・・と思っていた。
でもわざわざ見に行こうというくらいだから、かなり劣勢だったが、本当は詰んでなかったようだ。
ほんの少しは私の時間も進んでいるのかもしれない。まあ行ってみてからだね、実際の所は。
4/26/2025, 12:45:26 PM