目覚まし時計の秒針が落ちている。
何度も落ちた衝撃で外れてしまったのだろう。
飾りの部分には埃が積もって、電池を入れるところもプラスチックが割れてしまっている。
絨毯のへりはほつれてきているし、飾ってあったジグソーパズルはピースが外れている。
「なんとかしたら?」
「別に困ってないからいいよ」
そんな会話を何度も何度も何度も何度も繰り返して、もう疲れてしまった。
自室に戻り、目覚まし時計を見つめる。
カチカチと規則正しく回る秒針に安心すると同時に、カチカチというその音に私の心の中に何かが積もっていくのを感じる。
――そろそろ限界だ。
言葉にした途端、一気に楽になった。
END
「時計の針」
2/6/2026, 10:56:07 PM