John Doe(短編小説)

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僕のもの


トリコロールの旗をたなびかせて
君は大通りへとやってくる
薄暗い地下室から這い出て
僕は暗黒を打ち消す歌をうたおう
風が吹いている
強く
強く
僕を希望の路へといざなうんだ
君は僕の未来予想図
君は僕のプラネタリウム
君は僕の宮殿の皇女
風が地下室の中へと流れ込んでくる
あまりに強くて大きな風が
世界を呑み込もうと強く吹くのさ
君は危うく旗を手放しそうになる
ちゃんと持っていなきゃ
僕を導いてくれる自由の女神よ
君は僕のもの
君は僕のものなんだ
君はありふれた世界を照らす光なんだ
さあ、心の闇を消してくれ

風が吹く
あまりに強くて大きな風が。

3/17/2024, 11:47:11 AM