とりとめもない話
今日、有名人が死んだと報道された。
よくある病気だった。
いく人もの芸能人が死んだその人を弔っている。
みんなが悲しんで泣いている。
後日、その人の人生を追った特番がやるらしい。
よく通る駅前の交番には、
1日の交通事故件数を示す看板がある。
今日、死亡欄に、「1」という数字カードがはめ込まれていた。私の街で、誰かが死んだ。
私は、その「1」の、名前も知らない。
歴史の教科書に記載された、複数の事件には、
黒く太文字で書かれていない人間の人生がある。
有名でも、英雄でもない。
だけど、きっと、私がいま生きているように、
この街で生きてきた人の人生。
私の人生も、きっと大衆にとっては取るに足らない人生。ただ無性に、とりとめのない誰かの話を、聞いておきたかったと思う。読み人知らずの喜びや悲しみを知りたいと思うのは、そこに無数の価値があるから。
自ら命を絶ってはいけない理由は、
本当はないのだと思っている。
だって、すべては自分の決断にある。
でも、
そうやって、自分では気づかないところに、人生の価値が潜んでいるということが、何よりの理由なんじゃないか。そしてそれは、自分が認めても良いところなんだと思う。
なんとなく、今日ずっと考えていた、これこそ、とりとめのない話。
12/17/2024, 5:34:04 PM